1. EP.014

    そうだったのかブロックチェーン EP.014 「与信」とKYC

    第13回に続き第2部「既存金融×ブロックチェーン」として、前回さわりだけ触れた「与信(信用)」を深掘りした第14回。酒井は、月末払いの給料・掛けでの仕入れ・SaaSの年間契約など、現代のビジネスがその場その時ではない取引=与信だらけで成り立っていることを示す。企業は自らの信用をレバレッジに銀行融資を受けてバランスシートを膨らませ経済を大きくしていくが、融資は与信でも株主からのエクイティは与信ではなく、デフォルト時に「返せ」と回収に行けるかがカギで、そこには相手が誰かを知るKYCが欠かせない。内田はさらに貿易金融を例に、国際送金の大半は貿易の決済であり、信用状(レター・オブ・クレジット)と船荷証券(ビル・オブ・ローディング)による相互の与信で成り立つこと、デジタル化とクリプトの混同を避けるべきこと、2国の裁判所が納得する"国際版ほふり"は容易に作れず20〜30年議論しても未決着であることを解説する。KYCなしを旨とするクリプトが与信を扱うのは難しく、得意な「決済」に特化すべきで、オンチェーンで全部やるのは守備範囲の取り違えだと整理。スマートコントラクトもオラクル問題を抱えるため、「クリプト前提」でナラティブを作るのではなく、やりたいことから逆算して必要な仕様を考えるべきだと問題提起した。次回・第15回はステーブルコイン。

  2. EP.013

    そうだったのかブロックチェーン EP.013 取引・譲渡・所有権

    第1部(第1〜12回)で「トークンとは何か」を掘り下げてきた流れを受け、第13回からは第2部「既存金融×ブロックチェーン」がスタート。まず手をつけるのは金融の一番手前にある「取引と譲渡」。内田は金融を「お金の融通」と定義し、決済だけで閉じるなら金融という言葉は要らない、そこに「与信」が加わってはじめて金融になると整理する。酒井のリンゴ100円取引を題材に、同じ場所で同時に交換する(DVP)なら債権債務は残らないが、大阪と東京・明日渡すといった遠隔・時間差の取引になると所有権のズレが生まれ、相手を信じる「与信」が要ることを確認。与信は貸付とイコールではなく将来の実現への期待であり、三角取引や仕入れと販売の時差を回して経済を活発にするエンジンだと説く。後半は「握りしめられないもの」の所有——不動産・IP・有価証券——へ広げ、債権を紙に刷った有価証券が電子化されて「ほふり」のデータベースへ移り、法律がそのDBを"正"と定めている構図を解説。一方で暗号資産やセキュリティトークンの所有権は民法上いまだ曖昧で、オンチェーンファイナンスはシステムとしては動いても法や裁判所の裏付けが未整理だと問題提起する。「法律はいらない、ソースコードが全て」は金融では通用しない——次回・第14回は「与信」をさらに深掘りする。

  3. EP.012

    そうだったのかブロックチェーン EP.012 延長戦 ナラティブを育てる

    第11回で導いた T-C-T'(トークン→商品→増えたトークン)を受け、急遽の延長戦となった第12回。「目的地がマネーのままでは腹落ちしない」という酒井の違和感を起点に、生産者視点の T-C-T'(buying in order to sell)と消費者視点の C-T-C'(selling in order to buy)という2つの見方を対置する。排出権取引、補助金頼みで失速する地域通貨、日本のIEO、そして酒井自身が運営した『SARAH』のUMEトークンを例に、トークンの本質は発行ではなく「ナラティブをいかに育て共有するか」にあると整理する。第1部はこれにて完結。第2部(第13〜18回)では『既存金融×ブロックチェーン』を、内田の「トークンで金融が便利になるは都市伝説」という問題提起から掘り下げる予定で、次回・第13回はイベント公開収録の特別版をお届けする。

  4. EP.011

    そうだったのかブロックチェーン EP.011 トークンと資本論

    第1〜10回で積み上げた「トークンとは何か」を踏まえ、今回はマルクスが『資本論』で示した資本の一般公式 M-C-M'(マネー→商品→増えたマネー)を出発点に、トークンを M に置き換えた T-C-T' モデルを構築する。トークンとは「マネー(M)+ナラティブ(U)」であり、U は美味しさ・健康・環境のように何種類でも軸を増やせ、かつ最低2人の合意のもとで1枚2枚と数えられる客観的な価値だと整理する。ミックスジュースに加わる労働の『命がけの飛躍』、マクドナルドのスマイル0円、チップ文化、そしてカーボンクレジットがマネー化した途端に当初のナラティブを見失う例を通じて、生き残りの時代(M中心)から『よりよく生きる』時代(U=ナラティブ)への移行を描く。第12回では「本当は T-C-T' ではなく C-T-C' ではないか」という問いへ展開する。

  5. EP.000

    [TEST] そうだったのかブロックチェーン EP.0

    [要更新] 第0回エピソードの概要テキストをここに入れる。 「そうだったのかブロックチェーン」の本編第1回。テーマは『トークンとは何か』。ウォレットに入るデータとしてのトークンを、『持つ』『あげる』『もらう』という基本動作から丁寧に解きほぐし、なぜそこに価値が生じるのか、誰がその価値を維持するのかまで掘り下げます。小学校の勲章を例に、発行・流通・設計・インセンティブ・トークノミクスまで、ブロックチェーンを語る上で最初に押さえておきたい基礎を整理。次回はトークンの価値に周囲がどう影響するかへ展開予定。 ほげほげ